ヴィーガン食の犬が一番健康だったことが判明
- Liviveens.co.jp
- 2024年9月23日
- 読了時間: 3分
更新日:1月30日
2024年9月に画期的な論文が発表されました。これまでもヴィーガン食が犬にとってもいいという研究はありましたが、今回大規模に様々な要因を考慮して研究を行ったとのことで、その内容をここにまとめてみたいと思います。(原文は下記リンク参照)
2024年までに、ヴィーガンまたはベジタリアンの食事を与えられた犬の健康結果が良好であることを示す科学的研究は10件ほど行われ、イギリスの獣医協会も栄養的に適切なヴィーガンの犬用食事を支持していました。
しかし、年齢、性別、去勢の有無、犬種の大きさ、運動量といった犬の健康に影響を与える要因を考慮したうえで、一般の犬における健康効果の大きさを計算した研究は存在していませんでした。
2024年、獣医のアンドリュー・ナイト教授と2人の同僚が、これらすべての要因を制御した最初の研究を発表しました。研究は3つの食事グループに分けて行われました。
1.従来の肉ベースのご飯を与えられた犬(1,370頭 = 54%)
2.生肉を使ったご飯を与えられた犬(830頭 = 33%)
3.ヴィーガン食を与えられた犬(336頭 = 13%)
その結果1年以上ヴィーガン食を与えられた犬は、病気にまつわる一般的な7つの指標の発生率が減少していることがわかりました。
<減少したもの>
動物病院の受診回数
薬の使用
治療用食への移行
獣医による体調不調という診察結果
獣医による深刻な病気という診察結果
深刻な体調不良という飼い主の意見
不調な犬1頭あたりの健康障害の数
以下、論文要約の一部を抜粋します。
”ヴィーガン食を与えられた犬が最も良好な健康結果を示し、この傾向は明確かつ一貫していました。ヴィーガン食を与えられた犬は、これら7つの病気の一般的な指標のリスクが通常、大幅かつ統計的に有意に減少しており、従来の肉ベースの食事を与えられた犬と比較して14.4%から51.3%の範囲で低下していました。
6つの特定の障害においては、ヴィーガン食が従来の肉食を与えられた犬と比較して50%から61%の統計的に有意なリスク減少と関連していました。
これまでに発表された関連研究と本研究の結果を合わせると、ヴィーガンの犬用食事は一貫して複数の特定の健康障害のリスクを低減することが示されました。ヴィーガン食を与えられた犬で一貫して多く見られる健康障害はありませんでした。”
ヴィーガン食を与えられた犬は、動物病院の受診回数や薬の必要性、病気の発生や健康障害の件数が低く、飼い主や獣医から健康であると評価されることが多いことが研究からみてとれます。
アンドリュー・ナイト教授は「この非常に大規模な研究において、ヴィーガン食を与えられた犬が明らかに最も良い健康結果を示しました。これらの結果は、この分野の以前の研究とも一致しています。栄養的に適切なヴィーガン食は非常に大きな環境上の利点を提供するため、愛犬の健康を最大限にしながら環境を守りたい飼い主にとって非常に良いニュースです。ただし、常に栄養が適切であることを確認し、パッケージのラベルをチェックし、信頼できるペットフード会社から購入するよう注意する必要があります」と述べています。
(ナイト教授が2023年に発表した、環境上の利点を書いた論文については別記事参照)
菜食を実践する飼い主にとって、またはこれから実践してみたいと思う飼い主にとって、とても嬉しい励みになる結果です。この分野はまだまだこれから研究が進んでいくと見込まれますので、私たちは常に最新の研究にアンテナを張り、有益な情報を皆様と共有していきます。
発表された研究へのリンク↓